コンピュータベースのテスト(CBT)は、効率的でアクセスしやすい試験形式として広く利用されています。しかし、すべての受験者が同じようにCBTを利用できるわけではありません。特に、視覚や聴覚に障害を持つ受験者にとっては、適切なサポートがなければ試験の受験自体が難しくなってしまうことがあります。こうした課題に対処するためには、CBTシステムにおけるアクセシビリティの向上が不可欠です。本記事では、CBTのアクセシビリティの重要性と、それを向上させるための具体的な対策について解説します。
アクセシビリティとは、誰もが平等にサービスを利用できることを指します。特にCBTにおいては、視覚、聴覚、または身体的な障害を持つ受験者に対しても、公平に試験を受けられる環境を提供することが重要です。これにより、すべての受験者が試験において平等な機会を持つことができ、試験の結果が真に実力を反映するものになります。
CBTが普及する中で、アクセシビリティの課題も浮き彫りになっています。視覚障害のある受験者にとって、スクリーンリーダー対応が不十分だったり、文字のサイズが小さすぎて読みづらかったりすることがあります。また、聴覚障害のある受験者にとっては、音声ガイドや指示が利用できない場合が多く、試験中の案内を正確に把握するのが難しい状況です。このような問題を解決するためには、システム全体でのアクセシビリティの向上が求められます。
視覚障害を持つ受験者に対しては、音声ガイドや画面拡大機能の導入が有効です。音声ガイドは、試験中の質問や選択肢を音声で読み上げる機能であり、視覚的な情報を補完します。また、画面拡大機能を使うことで、文字を大きく表示させることができ、視力に不安がある受験者にとって非常に有益です。これらの機能が標準で提供されることで、視覚障害者がより快適に試験を受けることができるようになります。
CBTシステムにユニバーサルデザインを取り入れることで、視覚的な障害に配慮したインターフェースを提供することができます。例えば、フォントのサイズや色を変更できる機能、背景と文字のコントラストを強化するオプションなどです。これにより、視力が弱い受験者や色覚に偏りがある受験者が、試験の内容をより理解しやすくなります。こうした細かい配慮が、アクセシビリティの向上に直結します。
聴覚障害のある受験者に対しては、音声ガイドに加えて、試験中の指示や情報を文字で提供することが求められます。たとえば、音声で流れる指示内容を字幕として画面に表示することで、聴覚障害のある受験者が情報を正確に受け取ることができます。また、試験開始時の説明や注意事項を、テキスト形式で提供することも重要です。これにより、聴覚に障害のある受験者が、試験の流れに沿ってスムーズに進行できるようになります。
今後、AIや音声認識技術を活用することで、さらに高度なアクセシビリティ対応が進むと考えられます。例えば、AIによって受験者のニーズに応じたカスタマイズされたサポートを提供することが可能になるでしょう。これにより、受験者が自分のペースで試験を進めやすくなると同時に、試験結果の正確性も向上することが期待されます。また、音声認識技術を活用したインタラクティブな試験システムも、受験者にとって非常に便利なツールとなります。
多くの国では、アクセシビリティに関する法的要件が設けられています。たとえば、アメリカでは「障害者法(ADA)」が存在し、Webコンテンツやオンライン試験がアクセシブルであることが求められています。また、国際的には「Webコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)」が標準として認められており、CBTシステムはこれらの基準に従って設計されるべきです。法律に準拠したアクセシビリティ対応は、企業や試験機関にとっての義務であるだけでなく、受験者の信頼を得るためにも非常に重要です。
CBTにおけるアクセシビリティの向上は、試験の公平性を確保し、すべての受験者に平等な機会を提供するために不可欠です。音声ガイドや拡大機能、ユニバーサルデザインなど、さまざまな対策を講じることで、障害を持つ受験者でもストレスなく試験を受けることができます。今後は新技術の導入や法的要件の遵守により、さらにアクセシビリティが強化され、より多くの受験者が平等な試験環境で評価されることが期待されます。
以下では他にもCBTについておさえておきたいポイントを紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
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国内会場数 | 国内360カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
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取引団体例 | 日本漢字能力検定・日商簿記・秘書検定・銀行業務検定試験・基本情報技術者試験・電気工事士・アマチュア無線技士など |
こんな団体に おすすめ |
全国各地の多くの都市でCBT試験を行いたい、実績ある質の高いサービスを求める団体・企業 |
国内会場数 | 国内約160カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
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国内団体実績 | 約30団体 ※2023年2⽉時点 |
システムの カスタマイズ性 |
- 記載なし |
取引団体例 | 米国認定損害保険士・米国公認管理会計士・EXIN認定試験・ASPPA・ABP・DSST・FINRA・SOA / CIAなど |
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世界へ試験を配信したい、世界進出のノウハウが欲しい団体・企業 |
※選定基準
2023.2.1時点、「CBT 運用代行(計8P)」「CBT試験(計14P)」でGoogle検索し、公式HPが上位表示したCBT運用代行会社8社のうち、国内における団体数・会場数が最多のCBTS、世界における配信数・会場数が最多のプロメトリックを選定。