CBT(Computer Based Testing)試験は、試験運営の効率化や受験者の利便性向上に大きく貢献する一方で、システム障害のリスクも抱えています。もし試験中にシステムがダウンしてしまえば、受験機会の損失、試験の延期、さらには受験者からの信頼低下につながる可能性も。本記事では、CBT試験の障害対策について解説します。
サーバー、ネットワーク機器、クライアントPCなど、物理的な機器の故障が原因です。例として、サーバーのCPUやメモリ故障、ハードディスクのデータ損失、過負荷によるダウンが挙げられます。ルーターやスイッチの電源喪失、インターフェースの故障による通信遮断も考えられます。
CBTシステム、OS、ミドルウェア、アプリケーションのバグや不具合が原因です。問題配信ロジックの誤り、解答データ保存の不備、認証部分の脆弱性が原因で、システムエラーが発生することがあります。また、OSやブラウザのアップデートによる互換性の問題や、セキュリティソフトの誤検知による動作停止も起こり得るでしょう。これらの要因は、問題配信や回答保存、採点処理に影響を及ぼし、最悪の場合はシステムのダウンにつながります。
インターネット回線の障害、ネットワーク機器の不具合や設定ミスによって、通信トラブルが発生することがあります。プロバイダ側の設備故障、自然災害による回線断、アクセス過多による速度低下や接続エラーも原因として考えられるでしょう。受験者側の環境によっては、CBTシステムへのアクセスが困難になったり、問題のダウンロードや解答データの送信に失敗したりするケースもあります。通信部分に影響が及ぶため、試験の実施におけるリスクは非常に高くなります。
人為的なミスにはさまざまな原因があります。たとえば、システムの設定ミスや担当者の操作ミス、手順を守らない作業などが挙げられます。具体的な例としては、セキュリティ設定の不備による不正アクセス、試験監督者による誤指示、バックアップ漏れによるデータ損失などが典型です。また、システム管理者が誤ってコマンドを実行したり、問題の登録を誤ったり、受験者情報を間違えて入力したりすることも混乱の原因となります。こうしたミスを未然に防ぐためには、教育やトレーニングの充実、ダブルチェック体制の構築、障害対応手順の整備といった対策が有効です。
障害発生時に被害を最小限に抑え、迅速な復旧を目指すためには、具体的な対策を講じておく必要があります。
サーバー、ネットワーク機器などを二重化し、障害発生時に自動的に予備機へ切り替える冗長構成は、システム停止を防ぐ有効な手段です。重要なシステムは、地理的に離れた場所にバックアップサイトを設置する等の対策を行い、単一機器の故障がシステム全体の停止につながらないようにすることで、サービスの継続性を高めます。
ハードウェアの定期的な正常性確認、部品交換、清掃などの保守作業は、突発的な故障リスクを低減します。特に、サーバーやネットワーク機器のような重要な機器は、専門家による定期点検が推奨され、劣化や不具合の予兆を早期に発見し対処することで、安定稼働を維持します。
ソフトウェアを常に最新バージョンに保つことは、バグ修正やセキュリティ強化に繋がります。アップデートには、新機能の追加や性能改善も含まれるため、定期的に適用しましょう。ただし、適用前の十分なテスト実施が重要です。リリース直後のアップデートは、安定性が確認されるまで待機することも対策の一つです。
ソフトウェアの脆弱性を修正するパッチの迅速な適用は、セキュリティリスクを低減させるために不可欠です。開発元から提供されるセキュリティ情報を常に確認し、重要度の高いパッチは、優先的に適用するようにしましょう。パッチ適用前には、テスト環境で動作検証を行い、問題がないことを確認してから本番環境に適用します。
複数のインターネット回線を契約し、主回線に障害が発生した際に、自動的に副回線へ切り替える仕組みは、通信の途絶を防ぎます。異なる通信事業者の回線を組み合わせることで、特定事業者の設備障害の影響を受けにくくなります。回線切替がスムーズに行われるよう、定期的な動作確認も必要です。
ネットワーク帯域を監視し、特定のアプリケーションやサービスが帯域を占有しないように制御することは重要です。QoS(Quality of Service)設定により、試験配信などの重要トラフィックを優先させることで、アクセス集中時でも安定した通信速度を維持し、試験への影響を最小限に抑えます。
システムの操作手順や障害対応手順を詳細に記載したマニュアルを作成し、関係者に周知徹底することが重要です。作業内容や手順を明確化し、定期的な見直しと更新を行うことで、人的ミスの防止に繋がります。また、実際の作業時にはマニュアルを参照することを義務付け、正確なオペレーションを促します。
設定変更やデータ入力などの重要な作業は、複数名によるダブルチェック体制を構築することで、ミスを未然に防ぎます。実施担当者と承認者を分け、相互に確認することで、入力ミスや設定漏れなどのヒューマンエラーを防止し、システムの安定運用に貢献します。チェック項目と手順を定めたチェックシートの活用も有効です。
CBT試験の運営において、システム障害は避けて通れないリスクの一つです。適切な障害対策を講じることで、そのリスクを最小限に抑え、安心してCBT試験を運営することができます。しかし、CBT試験の運営には、社内リソースだけで対応するのが難しい場合も考えられます。
そのような場合は、CBT運用代行の活用も一つの選択肢です。運用代行を利用すれば、専門的なノウハウと技術を持つプロフェッショナルが試験運営をサポートし、障害発生時の迅速な対応や運営の効率化を実現することができます。
CBT運用代行会社のうち、2023年2月時点で団体数や取引団体例など実績を確認できた2社を選定しました。国内の受験会場数にもご注目ください。
国内会場数 | 国内360カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
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国内団体実績 | 200団体以上 ※2023年2⽉時点 |
システムの カスタマイズ性 |
〇 内部開発対応 |
取引団体例 | 日本漢字能力検定・日商簿記・秘書検定・銀行業務検定試験・基本情報技術者試験・電気工事士・アマチュア無線技士など |
こんな団体に おすすめ |
全国各地の多くの都市でCBT試験を行いたい、実績ある質の高いサービスを求める団体・企業 |
国内会場数 | 国内約160カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
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国内団体実績 | 約30団体 ※2023年2⽉時点 |
システムの カスタマイズ性 |
- 記載なし |
取引団体例 | 米国認定損害保険士・米国公認管理会計士・EXIN認定試験・ASPPA・ABP・DSST・FINRA・SOA / CIAなど |
こんな団体に おすすめ |
世界へ試験を配信したい、世界進出のノウハウが欲しい団体・企業 |
※選定基準
2023.2.1時点、「CBT 運用代行(計8P)」「CBT試験(計14P)」でGoogle検索し、公式HPが上位表示したCBT運用代行会社8社のうち、国内における団体数・会場数が最多のCBTS、世界における配信数・会場数が最多のプロメトリックを選定。