ここでは試験主催者の方に向け、従来の紙を使用した試験にかわり、インターネットを使用して行う試験「CBT」にはどんなメリットがあるのか解説しています。
また受験者からの申し込み受け付けから当日の会場運営までを行う「CBT運用代行会社」を紹介しています。試験主催者の方でCBTに興味を持っている方はぜひ参考にしてください。
CBTでは一般的に受験者が試験会場である「テストセンター」に足を運び、試験を受けることになります。テストセンターにはCBT運営企業が管理する専用施設やパソコンスクールなどがあり、各センターの収容規模は10名前後と小規模なことが多いです。
テストセンターを利用して試験を開催することで、大都市だけでない、多くの地域に試験会場を置くことも可能となり、受験者の利便性・公平性が向上します。
「CBT(Computer Based Testing)」とはコンピュータで試験を行うことだけを指す名称ではありません。
試験の申し込み、試験会場や資材の手配、出題、採点、合格発表といった試験にかかわる業務のワークフロー全体をコンピュータ化することを指しています。
そしてその全ての運用を代行会社に任せることができるので、従来の試験よりも開催、運営にかかる時間的・経済的コストを抑えることが可能です。
紙の問題用紙・解答用紙で行う試験には関係者からの情報漏えいのリスク、用紙紛失などのリスクがあります。またカンニング等、試験中の不正すべてを試験監督が把握することが難しいといったことも課題です。
CBTでは出題・解答ともにコンピュータを使用しますから、問題・解答用紙にまつわるアクシデントが起こりにくくなります。テストセンターで試験を行うことで、1か所での受験者は少人数であること、個々の席はパーテーションで区切られていること、そもそも受験者ごとに同じ問題を解いていないことなどから、カンニング・不正がしにくい状況がつくられるということもあります。
まず、従来の紙試験で発生している会場確保や設営コスト、答案回収や採点にかかる事務工数、結果通知までのリードタイム、そして情報漏えいや不正リスクなどの課題を洗い出します。
その上で、CBT化によって具体的にどの部分をどの程度改善したいのかを明確に設定します。社内の関係部署やステークホルダーを巻き込み、導入目的とKPI(事務コスト削減率や受験者満足度向上率など)について合意を得ることで、その後のプロジェクト推進がスムーズになります。
自社で一からCBTシステムを構築するには多大な工数と専門知識が必要になるため、既に豊富な実績を持つ運用代行会社への委託が一般的です。まずは候補となる数社に問い合わせを行い、会場ネットワークの広さや受付から採点、結果通知までを一括で対応できる範囲、不正防止技術の有無、さらには土日や夜間、緊急時のサポート体制について確認します。これらの情報をもとにRFIやRFPを提出し、最適なパートナーを選定します。
選定した代行会社との打ち合わせを重ね、試験時間、問題数、出題形式、予約受付方式、本人認証方法、採点方法、結果通知フローといった試験仕様をドキュメントとしてまとめます。すべての要件が固まった段階で業務委託契約を締結し、準備期間やリハーサル日、本番日などを含むマスタースケジュールを確定します。このフェーズでしっかりとした計画を立てることで、後の工程で発生しがちなずれやトラブルを未然に防ぐことができます。
次に、予約システムや受験者ポータルサイトの構築、顔認証やAIモニタリングを用いた本人認証・監視機能の設定、会場におけるPC設置やネットワーク構築、パーテーションなどの物理的な設営を行います。また、受験者からの問い合わせに対応するためのFAQやチャット窓口、電話サポートの体制も整えます。環境が整ったら、本番を想定したプレ試験(リハーサル)を実施し、通信障害や機器トラブルなどの想定外事象への対応フローを検証します。
受験者はポータルサイトから試験の予約を行い、指定された日時と会場で受験を開始します。試験官による本人確認や監視が行われる一方で、万が一のトラブル発生時には会場移動や再試験受付などの代替対応を実施します。試験終了後にはログを収集し、自動採点または専門員によるレビューを経てスコアを確定します。確定した結果はマイページやメールにより即時通知され、主催者へはCSVデータで提供されます。
本番終了後には必ず振り返りの時間を設け、受験ログや受験者アンケート、トラブル報告などを分析します。問題プールの質や量、システムの負荷状況、受験者からのUXに関するフィードバックをもとに、次回試験に向けた改善策を策定します。こうしたPDCAサイクルを継続することで、CBT導入による効果を最大化し、運営コストの削減と受験者満足度の向上を両立できます。
ここで紹介した以外にも、CBTのメリットには「振替受験等で災害等に強い」「デジタル化によりスピードUPを図れる」など様々なものがあります。メリットを踏まえて、「CBT運用代行会社に相談したい」と思った方は、以下の点に注意して代行会社を選ぶようにしましょう。
特に、「実績」が重要なポイントになります。当サイトにて、確かな実績を持つ会社をピックアップしているのでぜひ参考にしてください。
CBT運用代行会社のうち、2023年2月時点で団体数や取引団体例など実績を確認できた2社を選定しました。国内の受験会場数にもご注目ください。
国内会場数 | 国内360カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
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国内団体実績 | 200団体以上 ※2023年2⽉時点 |
システムの カスタマイズ性 |
〇 内部開発対応 |
取引団体例 | 日本漢字能力検定・日商簿記・秘書検定・銀行業務検定試験・基本情報技術者試験・電気工事士・アマチュア無線技士など |
こんな団体に おすすめ |
全国各地の多くの都市でCBT試験を行いたい、実績ある質の高いサービスを求める団体・企業 |
国内会場数 | 国内約160カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
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国内団体実績 | 約30団体 ※2023年2⽉時点 |
システムの カスタマイズ性 |
- 記載なし |
取引団体例 | 米国認定損害保険士・米国公認管理会計士・EXIN認定試験・ASPPA・ABP・DSST・FINRA・SOA / CIAなど |
こんな団体に おすすめ |
世界へ試験を配信したい、世界進出のノウハウが欲しい団体・企業 |
※選定基準
2023.2.1時点、「CBT 運用代行(計8P)」「CBT試験(計14P)」でGoogle検索し、公式HPが上位表示したCBT運用代行会社8社のうち、国内における団体数・会場数が最多のCBTS、世界における配信数・会場数が最多のプロメトリックを選定。