試験のCBT(コンピュータ試験)化を検討する際、一斉移行によるトラブルを避けるためにPBT(紙試験)と併用する「段階的移行」が有効です。本記事では、試験の特性や受検者の属性に応じた計画的な併用運用のメリットをはじめ、難易度調整などの課題解決策や、安全に導入を進めるためのロードマップを解説します。
試験方式をいきなり全面移行すると、PC操作に不慣れな受検者が戸惑う可能性があります。使い慣れたPBTの選択肢を残すことで、受検者の属性に配慮した柔軟な対応が可能です。また、運営側も新しいオペレーションに段階的に慣れていくことができるため、急激な環境変化に伴う離脱や操作ミスによるトラブルを防ぐ効果が期待できます。
特定の試験会場や限定された日程でのみCBTを先行導入し、PBTと並行して実施することで、移行に伴うリスクをコントロールできます。万が一、システムやネットワークに不具合が生じた場合でも、影響範囲を最小限に抑え込むことが可能です。スモールスタートで実際の運用データを蓄積し、次期に向けた検証や改善策を講じながら安全にプロジェクトを進められる点が大きな利点となります。
一斉に実施されるPBTと、複数日程で問題がランダムに出題されるCBTが混在する場合、試験版ごとに問題の難易度にばらつきが生じる懸念があります。この不公平を解消し、合格基準を一定に保つためには、項目反応理論(IRT)を用いた「等化(イコーティング)」という統計的分析が不可欠です。双方の試験に共通問題(アンカー項目)を組み込んで等化係数を算出し、客観的な調整を行います。これにより、異なる問題セットであっても共通の能力値(尺度得点)が導き出され、受検者間で公平な比較や合否判定を担保する仕組みが実現します。
並行運用期には、PBT用の紙冊子とCBT用のデジタルデータという性質の異なる問題を同時に管理しなければなりません。特にCBTでは出題頻度が高まるため、特定の問題が露出することによる漏洩リスクへの対策が求められます。これを防ぐには、良質な等化済み問題を蓄積した「アイテムバンク」の構築と、適切な露出率管理が重要です。セキュリティに優れたシステム基盤を用いて、問題データの一元的な管理体制を整える必要があります。
移行の第一歩として、まずは主要都市のテストセンターや一部の限定された日程のみでパイロット的にCBTを導入します。このフェーズでは、システム要件のすり合わせを入念に行い、PBTとの受検者比率や実際のシステム挙動を確認することが目的です。本番環境での運用を通じて課題を抽出し、自社の試験にCBTが適合するかを検証する重要な段階となります。
初期の並行導入で得られた検証結果をもとに、不具合の修正やサポート体制の改善を図り、ノウハウを蓄積した後は、CBTを実施するテストセンターや対応日程を順次拡大し、受検者をデジタル環境へと無理なく誘導していきます。
並行してPBTの実施回数や会場規模を段階的に縮小。運営側の負荷を分散させながら、最終的な完全CBT化へとスムーズかつ安全に移行を完了することが可能です。
PBTからCBTへの移行は、一部地域や日程での「PBT併用運用」による段階的なアプローチをとることで、受検者の混乱やシステムトラブルなどのリスクを最小限に抑えることができます。
一方で、移行期間中には問題の難易度調整(等化)やアイテムバンクを用いたデータの一元管理といった特有の課題も発生します。リソースや専門知識が不足している団体にとって、これら併用運用特有の複雑な実務を自社だけで完結させるのは困難です。
一般的なスケジュールとして、試験の約5ヶ月前までには要件定義やすり合わせを開始し、約2ヶ月前には問題登録などを終えておく必要があります。要件定義からシステムの最適化、テストセンター手配、受検者サポートまでを一貫して任せられるCBT運用代行会社へ初期段階(試験の半年〜5ヶ月前など)から早めに相談することが、移行プロジェクトを安全に成功させるための近道となります。
当サイトでは、CBTに関する幅広い情報を発信しています。以下の情報もぜひ参考にしてください。
CBT運用代行会社のうち、2023年2月時点で団体数や取引団体例など実績を確認できた2社を選定しました。国内の受験会場数にもご注目ください。

| 国内会場数 | 国内360カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
|---|---|
| 国内団体実績 | 200団体以上 ※2023年2⽉時点 |
| システムの カスタマイズ性 |
〇 内部開発対応 |
| 取引団体例 | 日本漢字能力検定・日商簿記・秘書検定・銀行業務検定試験・基本情報技術者試験・電気工事士・アマチュア無線技士など |
| こんな団体に おすすめ |
全国各地の多くの都市でCBT試験を行いたい、実績ある質の高いサービスを求める団体・企業 |

| 国内会場数 | 国内約160カ所 47都道府県対応 ※2023年2⽉時点 |
|---|---|
| 国内団体実績 | 約30団体 ※2023年2⽉時点 |
| システムの カスタマイズ性 |
- 記載なし |
| 取引団体例 | 米国認定損害保険士・米国公認管理会計士・EXIN認定試験・ASPPA・ABP・DSST・FINRA・SOA / CIAなど |
| こんな団体に おすすめ |
世界へ試験を配信したい、世界進出のノウハウが欲しい団体・企業 |
※選定基準
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